Nishimura Reports  
           
     プロフィール     更新日:2012年4月22日  アクセス カウンタ       連絡先                                                                                                                                           
H D D 業 界 ウ オ ッ チ ン グ
    HDD業界ウオッチング  筆者は1998年9月から2001年3月まで昭和電工鰍ノおいてハードディスク(HDと略記する)事業のマネージャーとして第一線で活動してきた。そして、会社を離れた後も業界の動向をウオッチし続けている。ムーアの法則に則って記録密度を伸ばしているこの業界の行末を見定めたいからである。また、そのことを通じて、筆者が在職中に果たせなかった独立系HDメーカーの生残り策を考えてみたかったのである。
  この10年間、記録方式は水平から垂直へと移行し、記録密度は約30倍伸びた。しかし、連続媒体による記録密度の向上は困難さを増している。対案として提唱されているBPM(Bit Patterned Media)も立上げに苦しんでいる。コスト高の問題もある。
 そもそも強磁性結晶が磁性を失わない下限は2nmだと言われている(Boltzmann)。必要な磁壁のサイズまで考慮に入れれば、3nm程度となろう。連続媒体における磁性結晶の大きさは現在6nm程度である。これ以上小さくするのは容易なことではない。
 半導体においても、回路の線幅を狭くするためにフォトリソの短波長化が進み、極紫外線領域に突入し、増大する装置コストに喘いでいる。要するに半導体においてもHDDにおいてもムーアの法則の成立が困難となっているのである。このような状況のなかで、この度、HDD業界の整理統合が一挙に進み二強(WDとSeagate)+ワン(東芝)体制となった。そして、二強ともヘッドとディスクの内製メーカーである。
 クリステンセンによれば、組立メーカーとキイ部品メーカーが相互依存の関係にある場合は内製が有利であり、製品がコモディティ化すれば外部購入が得策であるという。クリステンセンと言えどもこのような事態は想定外であったに違いない。
  HDDの重要部品にはサスペンジョンやモーターがある。いずれも内製はされていない。組立メーカーに内製を諦めさせるプラスαを持っていたのである。今にして思えば、ディスクを内製していないWDがKomagを買収したときが重要な岐路であった。東芝が内製部門を保有している富士通(HDD部門)を買収したとき、非内製勢力の巻返しが期待されたが不発に終わった。独立系ヘッド・ディスクメーカーは事業戦略の見直しを迫られている。
 このホームページで公表しているレポートは次の三分野に大別される:@HDD業界のあゆみ;AHDDの性能;B独立系ヘッド・ディスクメーカーvs 内製メーカー、である。
   
  項   目       レ ポ ー ト                    概         要
HDD業界のあゆみ    「どうなる?ハードディスク」 
(2005年3月15日)
  HDDはパソコン(PC)の普及とともに立上がり、1995〜6年にかけて第一次全盛期を迎えた。しかし、ヘッド・ディスクの内製が立ち上がる中、記録密度の伸びが需要を上まわり、独立系ヘッド・HDメーカーは90年代末には存亡の危機に立たされた。今世紀に入ってからは、業界の整理統合が進む中で、ITと動画記録が立上り再び活況を呈し始めた。リーマンショックからの回復も比較的早かった。
 HDD業界の動向を説明するにはクリステンセンらがイノベーション・シリーズで提示したモデルが参考になる。しかし、彼らの著書には恣意的と言わざるを得ないような事実誤認が散見される。モデルの有用性を評価しつつも、不正確な記述が定着することは避けなければならない。それに、モデルから外れる現象を直視することで、ファイン構造やより進んだ法則が見えてくるはずである。
「どうなる?ハードディスク(追記)」
  (2005年4月30日)

  クリステンセンモデルを修正してHDD等ハイテク製品の競争パターンを説明した。合わせて、HDDの三大特性(記録密度、アクセスタイム、内部転送レート)の上限を占ってみた。
「HDメーカーを悩ますBPM」
 (2010年12月17日)

  BPMの先駆技術と目されていたDTMは立上らなかった。ヘッドの飛行安定性の確保が困難なことと記録密度向上余地が小さいためと言われている。
 キャノン中研のアルミの陽極酸化法によるBPMは2011年現在立上っていない。
記録向上余地の大きくないBPMは経営的にみても立上らない可能性がある。
 HDDの性能 「HDD究極の記録密度」
 (2011年5月15日) 
 磁気記録における記録密度の上限は、Boltzmannの制約(2nm)に磁壁の大きさ(1nmと仮定)を加えたもので決まる。単純に3nm□を1ビットとすれば72Tbpsiとなる。具体的にスパッター法で鉄ー白金膜を作る場合は同様な計算で13Tbpsiとなる。
「各種ドライブの使い心地」
  (2007年7月1日)
 SSD、シリコンディスク、SDRAM構成のハイブリッド ドライブとSATA-HDDを搭載したPCの使い心地を比較検討してみた。 
「HDDの省エネルギー性」
 (2011年3月19日)
 
  HDDの記録密度はこの20年間で4000倍となった。生産台数も32倍となっている。1台当りの消費電力を0.5倍と見積もるとHDDの消費電力は16倍となる。この間の人口増は30%であった。省エネ以外のハイテク製品は電力消費量を押し上げる宿命を持っている! 
 独立系ヘッド・ディスクメーカー
 vs 内製メーカー
「WDのKomag買収の意味」
  (2007年7月1日)
 ディスク非内製の大手WDが独立系HDメーカーの大手Komagを買収した。独立系HDメーカーに与える影響は大きい。 
「リーマンショックと独立系メーカー」
  (2008年12月7日)
 リーマンショック後、HDD需要が落込んだとき、独立系HDメーカーの稼働率は極端に落ちた。「公式」どおりである。
「不況脱出が早かったHDD業界」
  (2009年10月27日) 
 リーマンショック後、CQ4/08、CQ1/09と落込んだHDD業界はネットPCとデータセンター需要に支えられ急回復した。HDD市場の底堅さを物語るものである。
「日立のHGST売却に思う」
  (2011年3月10日) 
 HGSTを黒字化させ、本体の社長に就任した中西社長の決断だけに業界には衝撃が走った。
「イノベーションのトリレンマ」
 (2011年4月29日)
 HGST→WDに続いて、Samsung(HDD部門→Seagateにより、業界は一挙に二強+ワン(東芝)体制となる。しかも二強ともヘッド・ディスクの内製部門を持っている。独立系ヘッド・ディスクメーカーは大幅な事業戦略の見直しを迫られている。 
 新事業の立上げ  「HD事業立上げプロジェクトの
  マネージメント」
(2012年4月8日)
 HD事業立上げプロジェクトにおいて遭遇した問題点の紹介
    

             地 球 か ら の 大 気 の 逸 散(2011年12月11日訂正)
  空気分子の引力圏離脱  太陽からの放射熱  
    概   要       レ ポ ー ト                       概         要
 このレポートは地球からの大気の逸散について推算することを目的としている。 第一段階では、重力に逆らって逸散する量について推算してみる。 「引力に打勝っての逸散」
 地球の引力を振り切って逸散する大気の量を、Maxwell-Boltzmannの速度分布則を用いて推算すると、1.75×10-298ton/BYとなり無視できる。ただし、気温は一定とした。
 高度>130kmの高空では、気温変化は対数の尺度で考えても一定とは考えられなくなる。
「太陽からの熱放射の影響」
to be published on HP 
 大気粒子(分子、原子の総称)が希薄になる超高空においては、いわゆる気温という概念はなくなる。あるのは、並進速度に関連付けられる粒子の温度である。超高空では、短波長の太陽光により励起され、電離や、分子→原子の反応が起きる。これらの反応により大気粒子は加速される。したがって、大気の逸散量は重力による引き止め効果を越えた量となる。
「太陽風による吹き飛ばし」
to be published on HP 
  高度が地球の半径の10倍程度のところでは太陽風が吹いていると言われている。その高度に到達した大気はハギ取られるという。
                     宍 道 湖 と シ ジ ミ(2012年4月22日更新)
     アオコの宍道湖     
                                
    概   要        レ ポ ー ト                      概         要
 松江は宍道湖に隣接する美しい街である。筆者が子供の頃、夏はきれいな湖で泳ぎシジミを獲った。
 その宍道湖も今はアオコが発生するほど水質が悪化しシジミの漁獲量も昭和48年の1万9千トンをピークに、平成21年には3千4百トンまで減っている。松江を愛する人達に問題提起をしたい。
 
       

 美しい宍道湖もアオコが発生するほど水質の悪化が進んでいるという。県の浄化五カ年計画も効果を上げていない。シジミには水の浄化作用があるが、低酸素の湖では生きられない。汚染源を調べてみるとありきたりな事実が浮かび上がってきた・・・。費用の問題があり、直ちに対策が取れないことは理解できる。しかし、関係する地方公共団体は、現実を直視することから始めるべきだ。そうすれば、地域住民の意識を高めることにもつながるはずである。たとえば、山居川に関しては、水が澄んでいる上流ではなく、河口の水質の測定値を公表すべきである。その他、下水道協会が公表している問題河川についても同様である。毎月ワースト10の河川を広報で発表するくらいのことをしても良いのではなかろうか。 
「宍道湖の流れ解析」
(2011年5月15日) 
 宍道湖を1平米の池に例えると平均深さは0.5ミリしかない(最大でも0.7ミリ)。湖水は主として斐伊川から流れこみ大橋川から流れ出る。両者とも湖幅に比べて極めて細い。そこで、宍道湖を長方形とみなし渦なしのポテンシャル流という前提で流れを計算してみた。四隅を除いて流れは平均化されている。このことは、湖水の入替わりを容易ならしめている。
 「宍道湖とシジミ」(改訂)
o(2012年4月22日)
  アオコの発生には窒素(→TN)とリン(→TP)が大きく寄与している。TNは大気汚染の進行とともに、水質管理者にとって制御不能なTN汚濁の元凶となっている。したがって、河川や湖沼の富栄養化を防止するには、ひたすらTP汚濁を減らすしかない。それも、汚濁後の水処理ではなく発生源対策を重視することが効果的である。宍道湖の場合、流水源の80%を占める斐伊川よりも、11%しかない中小河川からの汚濁の可能性が高い。現在、我々の身の回りにあるリンの含有量が高いものは肥料と農薬である。対策としては、まず問題がある箇所を明らかにし、データを地域住民と共有することから始めるべきである。